アシガール・私的(素敵?)覚え書き 第1回 -2-



アシガール・第1回「見参!戦国女子高生」 -2-


第1回のストーリー


16歳の女子高生、速川唯。
発明の天才である弟の尊が造ったタイムマシンで戦国時代へ行ってしまう。

絶望のなかで戦国武将・羽木九八郎忠清に会い、恋をする。



お腹が空いた唯がキノコを食べようとした。
突然現れた忠清。
刀を唯に向ける。

  • 唯「怪しい者じゃありません。ただお腹が空いてこのキノコを食べようと」
  • 忠清「食う? それを?」
  • 唯「どうせ死ぬなら何食べてもいいかなって」
  • 忠清「そうか。好きなだけ食せ」


唯はキノコを手に取り口に入れる。

  • 忠清「どうじゃ?」


キノコをほおばる唯を見つめる忠清。


その顔がかすかに微笑む。

  • 唯「なんか、泥臭いっていうか」
  • 忠清「毒じゃ。食うたら心の臓が止まる」


キノコを吐き出す唯。

  • 唯「死ぬとこだった」
  • 忠清「死ぬつもりではなかったのか…。ならば、生きよ」


戦国の世で戦い続ける忠清が、「ならば、生きよ」と唯に言う。
初めて会った知らない人に、「死ぬな。生きよ」と。


死と隣り合わせに生きている時代に、忠清のこの言葉は希有だろう。






お前一人で山を越えてきたのかと問う忠清。

  • 唯「いえ、木村様と、あと20人ぐらいの足軽と一緒でした」


早足で唯に近寄る忠清。

  • 忠清「なんだと。木村とは政秀か? 生きておるのか?」


唯の左肩を忠清の右手がガッシリとつかむ。


これが二人の記念すべきファースト・タッチ。






木村たちを追うために、馬に乗り森の中を走る二人。

  • 忠清「しっかりつかまっておれ」


ぎゅっとしがみつく唯。忠清の背中に頬を寄せ目を閉じる唯。


わざわざ戻ってまで知らない小僧を馬に乗せる忠清は、自分で気づかないだけで、唯に深い興味を持ったと思われる。





  • 忠清「それにしても小僧、お前の足は速いのう」
  • 唯「小僧…。ふだんはもっと速いんです。今日はちょっと…色々あって」
  • 忠清「ではまた見せてもらおう。いつでも城に来い。また会おう」


馬上、微かに微笑み去っていく忠清。


梅谷村の農婦・吉乃が息子(戦死してしまった)のために用意したおにぎり4個。唯は全部食べてしまう。

  • 孫四郎「食うてもうた」
  • 三之助「かかさま、こいつみんな食うてしもうた」
  • 吉乃「そのようなことを申してはならぬ。唯之助殿は足軽として羽木のお殿様のために戦ってこられたのじゃ。唯之助殿にご苦労さまというてあげなさい」


床に両手をつき二人は頭を下げる。

  • 三之助「よう、ごぶじで」
  • 孫四郎「よう、ごぶじで」


物語の芯にいると思われる「𠮷乃」。
回りの人々をその卓越した力や先見の明で導いていく。猛烈にかっこいい女性。




この回は、後々何度も見返したくなるほどの名シーンの宝箱になる。


それなのに…〈なんだぁ、女子高生のタイムマシンか〉と思った自分の浅はかさ、思慮のなさ。


若君に成敗されても文句は言えぬ。



  
(つづく)

#アシガール #伊藤健太郎 #黒島結菜

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