アシガール・私的(素敵?)覚え書き 第10回 -3-



アシガール・第10回 -3-「その結婚ちょっと待った!」


長沢城を逃げだそうとした唯は、座敷牢に入れられる。
宗熊が煎り豆を持ってくる。

  • 宗熊「父上にここに閉じ込められたとき、よう食べた」
  • 唯「あ…、ありがとう」


格子の隙間から巾着を受け取り、中の煎り豆を食べる唯。
唯を見つめる宗熊。

  • 唯「あんたさぁ、あんな親熊の言いなりに私と祝言なんか挙げさせられちゃって、それでいいわけ? あんなに、たたかれてさ」
  • 宗熊「父上はわしを鍛えようとされておるのだ」
  • 唯「けど、それが嫌で逃げようとしたんじゃないの? 違う?」
  • 宗熊「わしは!、総領なので…」
  • 唯「総領が何よ! 私だって、足軽だよ!」
  • 宗熊「はぁ?」
  • 唯「あっ、いや、まあ。心はいつも足軽というか、うん。とにかくもっと自分に自信を持って。戦だって、祝言だって、人の言いなりになってちゃだめだよ」
  • 宗熊「確かにこれは、わし自身が努めねばならぬ事なのかもしれぬ」
  • 唯「そうそう、その通り」
  • 宗熊「阿湖姫とおると、このようなわしでも何かできるのではないかと、そう思えてくる」
  • 唯「そうそう! その調子!」
  • 宗熊「阿湖姫との祝言がまこと楽しみじゃ!」
  • 唯「そう!そう! えっ? って、違う!!」
  • 宗熊「明日、松丸より兄上の義次殿が参られるそうじゃ」


嬉しそうに去って行く宗熊。

  • 唯「あ に う え ?」


宗熊の存在は、忠清にとっては敵の嫡男。しかも恋のライバル( !? )。
唯にとっては、誘拐され閉じ込められ、有無を言わせず結婚させられる相手。


そんな得体が知れない男に、唯はアドバイスする。
「もっと自分に自信を持って」
「人の言いなりになるな」
宗熊は深くうなずいている。唯のことばは、宗熊のこれからを変える力がある。


確かに、宗熊を励ます唯のことばを聞いていると、もし唯と結婚したら「宗熊」は、幸せになれるかもしれない。
宗熊も大事に育てられた長男。少し愉快な面もあるし…、唯の逃げるのを阻止したりもしたが…。
囚われの唯を慰め、干菓子や煎り豆を運んだり、けっこういい奴でもある。


しかし、唯の方は絶対にムリムリムリ、無理無理無理。



「この結婚ちょっとまった!」だ。





高山城座敷。高山宗鶴と松丸義次が対している。
侍女に案内されて唯がくる。


宗鶴に「中へ」と促され、唯は顔をこすりつけるように這って義次に近づく。

  • 宗鶴「なんじゃ、あの気味の悪い動きは?」
  • 諸橋「さあ〜?」


畳を這う唯をガン見している義次。義次の少しの横顔と、後髪と、左耳が確かに見えている。


義次の横に座る唯。

  • 唯「こ…この度はご機嫌麗しゅう」
  • 義次「久しぶりじゃのう、妹よ」


顔をあげる唯。

  • 唯「わ…わ、わ、わ」
  • 忠清「息災でおるようじゃのう、阿湖」


義次になりすました忠清を見て驚く唯。

  • 唯「ああ〜、ああ」
  • 宗鶴「阿湖姫のことは、このように心よりもてなしておりまする。息子、宗熊もたいそうな気に入りようでのう」


ニッコリ笑う宗熊。

  • 忠清「まことに、かたじけのう存じます」
  • 宗鶴「どうであろう。兄上もご同席の今宵、早々に婚儀を済ませてしまっては…」
  • 忠清「今宵でございますか?」
  • 宗熊「はい」
  • 忠清「それは、よいお考えにございます」


驚いて目を見張る唯。

  • 宗鶴「うむ、フフフ」


目の覚めるどんでん返し。

義次の代わりに忠清本人が高山城に乗り込むとは!


今まで、ストーリーの流れでは全く触れてなかった。
だから、見ている方は唯の隣りにいるのは阿湖の兄・義次だと思っていた。


着物を着せられている時、唯の心の声が〈 妹じゃないってバレたら、熊との結婚はなくなるけど、命もなくなるかも 〉と言っていた。
文字通り、必死の体勢で這って進む唯を〈 しっかり! 〉と応援していた。


ところが、義次に化けた忠清は、絶対におもしろがって見ていた。


忠清のほんの少しの横顔と後髪と左耳が画面の隅に写っているのだ。ということは、左側を這って進む唯が見えるということだ。


え? こんな非常事態に忠清は笑って見物している。
何とした余裕!


この後、婚儀の支度に行く唯に、忠清は微笑んで「のちほど」と伝える。続けて宗熊が同じく微笑んで「のちほど」と言う。


二人の「のちほど」に反応する唯の顔が “みもの”。







長沢城座敷。
唯が婚礼衣装を着させられようとしている。

  • 嶋「高山のご正室が代々お召しになった打ち掛けでございます」
  • 唯「嫌、ぜったい着ない!」


部屋の隅に逃げ、体育座りをする唯。


侍女たちが唯を囲み、着替えさせようとする。

  • 侍女「阿湖姫様」「阿湖姫様」
  • 唯「嫌! 着ません! ぜったい着ないから!」
  • 侍女「姫様」
  • 唯「離せ! あ〜〜〜〜!」
  • 嶋「何という、強力じゃ」
  • 唯「あ〜、もう!」
  • 嶋「みんな来やれ。誰か手を…」


嶋が助けを求めて襖を開ける。

  • 嶋「何じゃこれは !?」


廊下は煙が立ちこめている。

  • 嶋「火事! 火事か !?」


うずくまる唯。

  • 唯「あっ!」


何かを思いつく唯。

  • 唯「若君、早く来て!」


唯は婚礼衣装を着なければならない状況にいる。
しかし、無駄な(と思える)抵抗をする。


ここで、衣装を着ないでがんばった時間稼ぎが大切な鍵になってくる。


忠清は、尊の発明した「けむり玉」を使い「一時間だけ100メートル四方真っ白な煙で覆える」を、実行に移そうとしていた。


唯がすんなり衣装を着てしまったら、忠清が作戦を行う余裕がない。
忠清にしても「この結婚ちょっと待った!」なのだ。


タイトルが全てを語る。


アシガール全12回のタイトルは、すべてすごい!
短くて6文字、長くて11文字。全部に「!」マークが入る。
タイトルを読むだけで、音と映像とが立ち上がってくる気がする。



さあ、煙の中で唯はスーパーマンに逢えるでしょうか?
次回をお楽しみに!



《「アシガール」の次回予告》について


予告の構成が凄い!
ウィットのきいたカットが、たたみかけてくる。


こんなクオリティの高い「予告」は観たことがない。次回に興味を持たせるのが予告の役目だが、その役を遙かに超えている。
しかも毎回毎回そうなのだ。20秒ほどの間に、次回映像の始めから終わりのほうまで、何カットも見せてくれる。


作る前のジグソーパズルのピースのように、美しいカットがちりばめられている。
筋が分かりそうで実はまったく分からない。
よ〜く観ても、わからない。


警告!
「予告だけみてわかった気になるな」
「次回の話は次回を観て初めて分かる」
「観なければ分からぬのだぞえ」


𠮷乃ちゃんに叱られる!



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◎ 特集ドラマ「アシガールSP」プレマップ(随時放送中)

  プレマップの予告映像(2分間)も 豪壮・壮観・壮大・壮麗・見事



◎ アシガール特別編『唯&若君 時空を超えた恋のキセキ!』

 2018年12月23日(日) 総合 16:30〜17:55

  『アシガールSP』を前に、ふたりのこれまでをまとめた特別編を放送!

       
       



◎ 特集ドラマ「アシガールSP」
 2018年12月24日(月・祝)【NHK総合】21:00〜22:30分


   超時空ラブコメ再び!
    平成女子高生と
   戦国若君のの行方は !?


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(つづく)
 
 
#アシガール #伊藤健太郎 #黒島結菜