(13)「マメちゃんが作った晩ごはん」
マメちゃんは同級生でした。
私の家から見ると、学校を越えた向こうの方にマメちゃんの家がありました。
マメちゃんの家の近くで一緒に遊んだ後、さよならをしようとしたら
「これから晩ごはん作るんだけど、来ない?」
と、誘ってくれました。
マメちゃんは子どもだから、まな板の高さが合いません。背伸びして野菜を切りました。
肉を切る番になった時、
「家はさぁ、食べる人が多いからケンカになるの。それで肉は小さく切るんだ」
と言いました。
マメちゃんは少し恥ずかしそうにしました。
とんでもないことです。1年生なのに一人で家族みんなの晩ごはんを作るなんて、もうびっくりでした。
お鍋で炒めてコトコトして、出来上がったのはカレーでした。
『えらいなぁ、マメちゃん』
心の底からそう思いました。