♪ おもいで らんらん (30)「お気に入りコートが変態 !?」

(30)「お気に入りコートが変態 !?」

もうすぐクリスマスのころ、母と二人で銀座の展示会に行きました。外は寒かったけれど会場は明るく暖かでした。

展示を見ていると、テレビカメラを抱えた人やマイクを持った人たちが寄って来ました。

「今日のニュースの話題で来ました。撮影してもいいですか?」
のような話があり、母はOKしたのでしょう。

クリスマスカラーのコートを着た私。ツィードで赤と緑が基調のタータンチェック
母は襟が長いベージュのコート。

切り取った写真のように、シーンが浮かんできます。

 

母は、ロングだった私のコートを
「良い生地だからね」
と言って、成長に合わせて仕立て直しをしてくれました。

しまってあった袖丈と裾丈を出し、肩幅と身幅を広くしました。
ちょうどいいショートコートに変態しました。

もっと大きくなってからは袖を外してベストのようにしてくれたので、本当に長く着られました。

裏地はトマト色。

光っていてスベスベしていて、裏地もお気に入りでした。

 

コートが変態していくのは楽しかった!

 

今も、あたたかい手触りが蘇ります。

 

 

♪ おもいで らんらん[もくじ] - 那須高原のとっておき!

 

 

紅葉の京都(3 おわり)

天授庵と南禅寺三門

天授庵の東庭は枯山水庭園。

燃えるような赤い紅葉と松の緑、白い砂。

 

 

昨日の雨で濡れている落ち葉。

 

 

 

天授庵の南庭は池泉回遊式庭園

 

 

 

水面に写り込む紅葉した木。

池の底一面の落ち葉。

 

 

 

天授庵の建物と紅葉。

 

 

池泉回遊式庭園を巡る。

 

 

 

石をくりぬいた鉢(手水鉢のようなもの)の水面。

写真奥から流れ出る水が、水面に模様をつくる。

 

 

 

南禅寺三門付近。

晴れ間が見えてきた。
見上げると視界いっぱいに紅葉の葉。

黄緑、黄、オレンジ、赤のグラデーション。

 

 

 

 

南禅寺三門から見える見事な紅葉。

 

 

(紅葉の京都 おわり) 

 

 

紅葉の京都(2)

京都駅から比叡山へ向かう途中。

琵琶湖を背景に記念撮影をする家族。

 

 

 

前回紹介した建仁寺アオサギのアップ。

 

 

八坂の塔周辺。

修学旅行生と外国人がいっぱいいた。

レンタルの着物を着て写真を撮る若い人たちや外国の人たちもたくさん。

 

 

 

産寧坂脇の小道。

 

 

蹴上駅の出口を出たところにある、「ねじりまんぽ」(蹴上トンネル)を抜けたところ。

 

前を歩くのは外国語を話す人たち。

 

(つづく)

 

 

 

ふゆがはじまるよ

秋色に染まる茶臼岳。

 

 

 

サルトリイバラ

猿捕茨。鋭い棘に猿が引っかかるという。

 

草取りをしているとき、これに出会うととても危ない。

棘はゴム手も軍手も貫いてくる。

 

 

 

マユミ

薄い紅色の実。

秋から冬にかけて賑わって実る。
小鳥が食べに来る。

 

 

 

那須街道も秋景色。

 

 

 

♪ おもいで らんらん (29)「勉強して大学に行くんだよ」

(29)「勉強して大学に行くんだよ」

坂の途中に知り合いの家がありました。

短いトンネルを抜けて坂を登ると、道の左脇に階段がありました。その階段を上ったところの家でした。

広い玄関から廊下が続き、左に居間、右が洗面所やお風呂、まっすぐ進むと食事の部屋。家族の多い家だったので、他にも部屋がたくさんありました。庭も広くて太い樹がいっぱいでした。樹の間を歩いて行くと斜面になって、その先は崖でした。

その家のお姉さんが洗濯した小さいハンカチを畳んでいました。普通のハンカチより小さめでガーゼで出来ていました。たくさん畳んで籠に積み上げました。どこに置くのかなと見ていたら洗面所でした。

現在の先取りです。伝染する病気が流行しているときではなかった頃のことです。

洗面所のタオルは一人で使うだけではなく他の人も使います。そこで、新しいタオルを一人一枚ずつ使い使用済みの入れ物にいれれば清潔だ、という方法です。手間がかかるけれど合理的でした。

私も使ってみました。手を拭き終わってから使用済みの入れ物に入れる時、ちょっと抵抗がありました。ハンカチを捨ててしまうような気分になったからです。

そこの家は、お客さんも多い家だったので、小さいハンカチは役に立っていたと思います。


二階の窓からは遠くに街並みが見えました。


その家のおじさんは、夜は浴衣姿でした。いつもいっぱいお酒を飲む人でした。

いい気持ちになった頃、

「オレは学校にろくに行ってないから……。あんたは勉強して大学に行くんだよ」

と、私に言いました。

「はい、勉強して大学に行きます」

私は、そう答えました。

酔ってはいたけれど、小さい私に向かって真剣に話していることがわかったからです。

 

「ほらっ、お父さん! こぼれているよ〜」

「あ〜っ、褌が見えている!」

家族にこんなことを言われている愉快な人でした。仕事は、会社の社長さんでした。

 

私があまり気の進まない勉強を続けられたのは、おじさんの言葉も関係していたと思います。

『女の子が大学に行く必要があるか』なんてことを言わずに、まっすぐ「大学に行くんだ」と言ってくれたおじさん!

 

「学ぶことが好きか、嫌いか」と問われたら。

今、私は「好きです」と心から答えます。

 

 

 

紅葉の京都(1)

京都の秋

アオサギの勇姿

 

建仁寺の楽神廟(別名・明星殿)に、「ギエー!」と鳴いてアオサギが飛んできた。

まあまあ近くに人が数人いても、堂々とたたずんでいた。

 

 

 

南禅寺三門
 
紅葉が見頃。
 
街には観光客がいっぱいだった。
 
 
 
 
昨日、京都駅を通過するドクターイエローに出会った。
「会うと幸せになる」といわれている。
 
運行予想も出ているそうだが……。
突然、会うからこそ嬉しいし、それが幸せなのかもしれない。
 
 (つづく)
 

♪ おもいで らんらん (28)「七五三のお参り」

(28)「七五三のお参り」

小学一年生の私はセーラー服を着ていました。

母の手作りでした。

 

「セーラーカラーは難しいのよ」

と、母は言いながらアイロンをかけました。

「襟の角がきちんとできないと『全部やりなおし!』って、なるの」

そんなことも言いました。

カラーに白いラインをいれるときも、くっついて見ていました。

「これはね、きれいな一本線になるように息を止めて角までミシンをかけるのよ」

一緒に息を止めると雨の音がしました。

 

出来上がったセーラー服は学校の制服でもなんでもなく、七五三のための衣装でした。


お祝いの日、近くの氷川神社に行きました。

神主さんのご祈祷がありました。祝詞を読んでくれました。いくつもの家族が一緒に受けるのではなく、母と二人だけのご祈祷でした。

少し離れたところには、次の七五三の人たちが待っていました。中には知っている子もいました。

祝詞の声がして、白い紙がふさふさついた棒が頭の上を行ったり来たりしました。おかしくなって知っている子を見たら、やっぱり笑っていました。


そういえばセーラー服だけではなく、兄たちの学生服も母の手作りだったと思います。


母は、手だけは魔法使いでした。

 

 

 

小紫・釣鐘人参・丸葉藤袴・灯台躑躅

コムラサキ

いつもひっそりと咲き、ひっそりと実を結ぶ。

秋にふさわしい。

 

 

 

 

ツリガネニンジン

薄紫色を身に纏った釣鐘。

リング状に花をつけるとシャンデリアのようだ。

 

 

 

 

マルバフジバカマ

丸くない葉だけど、丸葉。

フジバカマに比べると葉が丸いということらしい。

 

 

 

 

ドウダンツツジ

紅葉すると存在感が急に出てくる。

あの可憐なすずらんに似た花をつけていたのに。

 

 

 

 

 

割れた殺生石に……

那須温泉神社・殺生石

紅葉がきれい。

那須温泉神社は「おんせん神社」ではなく「ゆぜん神社」と読むことを初めて知ったときはびっくりした。

 

 

 

温泉神社の隣にある賽の河原。

地獄の風景と例えられているとか。

 

千体地蔵や教伝地蔵をたどっていくと殺生石に着く。写真では左の斜面に白く見えている場所。

 

有毒ガスとともに硫黄の匂いが強い。草も生えない。

 

 

 

殺生石は「生き物を殺す石」といわれ、不思議な伝説がある。

 

その石が今年・2022年3月5日に二つに割れていたことが分かった。

 

 

それから半年以上、もちろん今もパッカリ割れたまま。

3月末に慰霊祭と平和祈願祭がこの場所で行われた。

 

もし、石が割れて九尾の狐が出てきたのなら……。

 

九尾の狐さま

コロナ感染と紛争とを鎮めてください
そしてまた この石に戻って世界の平和を守ってください