夕焼け小焼けの 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か
山の畑の 桑の実を 小かごに摘んだは まぼろしか
三木露風 作詞
わたしがまだ三つか四つのとき、姐やにおんぶされて赤とんぼの飛ぶのをみた。
小さな籠にいっぱい桑の実を摘んだ。
十五でねえやは 嫁に行き お里の便りも 絶え果てた
姐やがお嫁にいくとき、わたしも姐やも泣いた。
夕焼け小焼けの 赤とんぼ とまっているよ 竿の先
姐やからの便りは、しばらく届いたが、ある時からぱったり来なくなった。
竿の先にとまっている赤とんぼを見るたび、姐やを思い出す。