「アシガールSP」-3-
超時空ラブコメ再び
(放送日 2018年12月24日)
忠清「我らの勝ちとは…、ただ生きること」
唯「ただ… 生きる」
唯を抱き締める忠清。
忠清「わしはお前を… 羽木の者らを誰一人、死なせはせぬ。わしも死なぬ。5日後の祝言までには必ず…、戻る」
忠清と源三郎は馬で走り去る。
唯「若君様…」
涙をこらえ、背を向ける唯。
唯「親ぐまのたわけ野郎~!」
「我らの勝ちとは、ただ生きること」という忠清の言葉。
そう、死んでしまっては終わり。「生きる」のが大切。何のただし書きもつけず、「ただ生きる」。
唯は、後に吉乃から『総領殿のお命とはただ生き長らえるのを言うのではない』と言われる。
「ただ生きるだけでは足りないのだ」と叱られる。
でもさ、吉乃殿。この時点では、忠清の判断も唯の判断も正しかったんじゃない?
命を失ってしまえば、もう戻ることはできない。取り返しがつかないのだから。
耐えるときは耐えるのみ。
生きていてこそ!
そう、生きるって、大切。「ただ生きるだけ」でいいのだ。夢だって希望だって生きていなければ意味がない。
「死に急ぐは真の負け」と、第1回で忠清が言っていたし……。
高山、織田の兵、合わせて15, 000が城を取り囲んでいる。
籠城という話さえ出る。唯は部屋で、忠清の言葉を思い出す。
忠清〈 我らの勝ちとは… ただ生きること〉
唯「若君…」
唯〈 そうだ 落ち着け。何のために遠くからやって来たんだ。思いつけ。羽木のみんなを守るためには…〉
棚に並んだ弟尊の発明品を見る。
唯「でんでん丸。まぼ兵。けむり玉…は、最後の一個」
唯の行動は、大好きな忠清を守るだけでなく『羽木の城・武士・領民を守りたい』と大きく広くなっている。
これはかなり重大だ。
恋人だけでなく、恋人の家、家族、友人、近隣の親しい人をも守っていく。
唯の変化がこの物語を壮大な世界へと導く。
人を愛することは、ひとりの人だけ愛して終わるのではない。
その人が愛している「人」や「もの」……その人のまわり全てを愛し守る。
容易なことではないなあ。
そんなふうに考えると、争いが少なくなって世の中が平和になっていくだろう。
だって自分だけでなく相手も隣の人も、つながる他のみんなも愛するのだから。
これが「愛と平和」への道筋なのか!
(つづく)