「アシガールSP」-7-
超時空ラブコメ再び
(放送日 2018年12月24日)
フローラルのボディーシャンプーで湯浴みした唯。
婚礼の座に白無垢姿で入ってくる。
木村「これはよう化けた」
目を見張る忠清。
忠清「そうじゃのう」
唯 < こんな夫がいる女子高生なんて私だけ! >
忠清の顔を覗き込む。
唯「超好き!」
微笑む忠清。
忠清「うん」
三三九度の酒を飲む忠清。
じっと見ている唯。
唯 < 私たち、ついに結婚しました! >
Vサインの唯。
戦場の結婚式。
明日は落城の結婚式。
この場面をこしらえるまで詰め寄った唯。
忠清の心を動かした城代木村。
この時代だからこそ、必要な儀式であろう。
式を挙げない夫婦が増えているらしい。
「いいのでは」と思う。
いわゆる式場で、大勢の前で挙げる…、ということではなく。
例えば、当のふたりだけで何かケジメとなることをする。それでいい。
どんなに豪華な式をしたとて、その後はわからない。だって豪華がふたりを結びつけるわけではないから。
フローラルのシャンプーを < いかなる時も、決してこれだけは手放すまいと >「持っていたのじゃ~!」と、唯。
褒めてつかわすぞ、唯。(…上から目線で申し訳ありません…)
唯にとってこのシャンプーは譲れないものだった。
だって、これから、忠清がそれに反応するのだ!
< そして… >
寝所に唯。
< これを見たら、寝てる間に若君が私を現代へ帰そうとするかもしれない >
脇差しを褥の下に隠す。
唯「腹も決まった。 よし!」
うとうとし、前のめりに倒れる。
< まずい! 丸2日眠らないで山道を走ったから。一番大事なとこなのに >
唯「しゃっ!」
倒立前転して畳に転がる。
ピッタリのタイミングで忠清が襖を開けて入ってくる。
< ヤバイ! 入り口で待ち構えたようなマグロ態勢 >
唯「いえ… あの… これは…」
唯をお姫様抱っこする忠清。
忠清「待たせて悪かったの」
褥に寝かせ頬に触れる。
忠清「命懸けで走り、ここまで参ったのだな」
唯を見つめる忠清。
唇を近づける。
唯「ちょ、ちょ、ちょっと待って。 ストップ! 心の準備が」
忠清「待てぬ」
唯「だって、言ってたじゃないですか! 怖がるおなごには何もしないって」
忠清「たわけ!」
抱き寄せられる唯。
忠清「夫婦(めおと)の間で遠慮はいらぬ」
唯 < めおと…、めおと… >
きれいな倒立前転だった。
マグロの唯はかっこいい。「腹も決まった」なんていっちゃってるし。
でも、唯の何倍も待っていたのは忠清のほう。
唇が近づいてくる寸前、ストップをかける唯は、好きだなあ。
いつになったらゴーサインが出るのやら。
頭でわかっていても、むずかしいのじゃろ。
伊藤健太郎さんがインタビューで話していた。
「唯ちゃんが倒立して倒れるシーンが、現場で演じていてすごくキュンキュンしました。その後に、後ろから唯をハグして『私だって一緒にラーメン食べたり~』という唯のせりふもあったんですけど、そこは本当にキュンキュンしまして、好きなシーンの1つですね。映像にものすごく出てると思います」
役者は「そのとき」「そのひと」になる。
(つづく)