「アシガールSP」-17-
超時空ラブコメ再び
(放送日 2018年12月24日)
家に戻った忠清。
忠清「父上。母上…」
床に座り両手をつく忠清。
遅れてもどった唯。
忠清の前に正座する覚と美香子と尊。
忠清「改めてお願いいたす。唯を伴い、永禄に戻りたい」
唯「若君…」
忠清「かの世で何が起きるか、それは分からぬ。だが、この忠清、何があろうと唯を守り、2人で命を全ういたす。どうか、どうか唯を妻にすること、お許し下され」
忠清の隣りに正座する唯。
唯「私からもお願いします! 若君のそばを離れない。未来の尊が頑張ってくれたみたいに、私は、昔の戦国で頑張りたいんです! だから… 許して下さい!」
頭を下げる唯。
すすり泣く美香子。
美香子「バカだ、バカだと思ってたあなたが大人になって…」
覚「何か、もうちょっと ちゃんとした格好の時、聞きたかったけど…」
座り直す覚と美香子。
美香子「どうか、唯を幸せにしてやって下さい」
覚「頼みます」
頭を下げる覚と美香子。
唯「お父さん… お母さん…」
尊を見る忠清。
忠清「尊。 唯に会わせてくれたこと、心より礼を申す」
忠清に向き直る尊。
尊「お姉ちゃんをよろしくお願いします」
両親に結婚を承諾してもらうということ。
結婚年齢は民法が改正されると、男女とも18歳以上になる。施行は2022年4月から。
唯は高校生だが、ぎりぎり18歳だろうか。
このドラマは2018年放送で、結婚年齢は男性18歳・女性16歳のとき。
だから全く問題ない。
いや、そういうことではあるまい。
ここは、忠清の、高らかな「決意表明」なのだ。
「かの世で何が起きるか、それは分からぬ。だが、この忠清、何があろうと唯を守り、2人で命を全ういたす」。
中でも、「何があろうと唯を守り、2人で命を全ういたす」の決意。
忠清の言葉に嘘が無いのは、矢傷を負って現代に来た2カ月間に美香子と覚がしっかり見極めただろう。
物語の発端を創った尊を忘れない忠清の優しさ。
尊〈 満月の夜は、イブの1日前だった。少し早かったけどクリスマスパーティーをした 〉
美香子「せ~のっ、メリークリスマス!」
みんなで叫びながらクラッカーを鳴らす。
自分のクラッカーに驚いて上を見る忠清。
一緒にケーキを切る唯と忠清。
ナイフを持つ唯の手に、忠清が両手を重ねる。
美香子「あっ ちょっと待って。 ストップ!」
二人の写真を撮る美香子。
美香子「いいんじゃない? ほら」
尊〈 結婚式みたいだな~と、ちょっと思った 〉
戦国に旅立つために、話は超超超特急で進む。
家族でのパーティ、ウエディングケーキ(?)入刀、記念写真。
ひとつ、ひとつが、1話分たっぷりある。
尊の実験室。
戦国から平成に飛んできたときの着物を着たふたり。
首にはクリスマスのきらきら輪飾り。
美香子「じゃあ 元気でね。幸せに」
唯「無事だったら知らせる。どうにかして、絶対知らせるから」
覚「これ、いつものレンコンの挟み揚げだ」
忠清「かたじけない。 礼を申す」
覚「最後だって言うけどさ、何か緊張感ないんだよな~」
美香子「こんなこと 何度もやってこなかった? はいっ!」
挟み揚げを袋に入れ、唯に手渡す。
尊「だから、これからもきっとある」
唯「尊…。じゃ」
唯が脇差しを抜く。
唯「お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとう」
淡くなっていくふたり。
覚と美香子の眼に涙。
唯「あっ、尊。新しいタイムマシンは次のクリスマスまでにお願いね。今度こそ、若君と絶対クリスマスデート!」
唯と忠清の姿が消える。
尊「全然分かってない!」
尊〈 それから先のことを 僕は まだ知らない 〉
もうすぐ終わってしまう…………
。・゜゜ '゜(´O`*) '゜゜゜・。
(つづく)