アシガール・私的(素敵?)覚え書き 第8回 -1-



アシガール・第8回「満月よ!もう少しだけ」-1-


第8回のストーリー


忠清の窮地を救った唯は、警固役として天野家で修行することになる。
忠清は婚約者の松丸阿湖と会い、ほかに側室のふきもいるため、唯はやきもきする。
成之を探りに行った唯は策略におち、酔って成之の部屋に連れ込まれる。
かけつけた忠清は激怒。



黒羽城の広間。

  • 忠高「おもてを上げよ。お前が唯之助か」
  • 唯「はっ、お目通りかないまして……、きゅ? しゅ? きゅーちゃくしゅごくに存じます」
  • 忠高「ハハハハハッ、面白い奴じゃ。身命を投げ打ち忠清の命を守らんとした、こたびの働き、まことにあっぱれ。よってそちをお馬番役から忠清の警固役に取り立ててつかわす」
  • 唯「はっ! 全身全霊、若君様をお守り致します」


「きゅーちゃくしゅごく」は、「祝着至極(しゅうちゃくしごく)」かな、「恐悦至極(きょうえつしごく)」かな。
どちらにしても、唯は覚えきれなかったのだろう。聞いたこともない言葉だから。


唯の間違った言葉を聞いたときの忠清の顔!
「コラ、コラ」ではなく、完全に唯を「かわいいヤツ」と見ている。
忠高も「面白い奴じゃ」と言っているから、似たもの親子だ。






忠清のところへ、婚約者阿湖姫が初お目見え。

  • 阿湖「お初にお目にかかります。松丸義秀が娘、阿湖にござります」
  • 忠清「羽木忠清じゃ。苦しゅうない、おもてを上げよ」


顔をあげ微笑む阿湖姫。

  • 忠清「遠路はるばるよう参られた。わしがおらぬ間、心細い思いをさせたのう」
  • 阿湖「いいえ、若君様こそ思わぬご難に遭われ、心よりご案じ申し上げておりました」
  • 忠清「そうか」
  • 阿湖「どうかこれより幾久しゅうお願い申し上げます」
  • 忠清「その事だが、いささか含みおかれたき儀がござる」


なんだろう? どんな「儀」?
唯を現代に返してしまうつもりの忠清は、この後、阿湖をどう捌いていくのか。ふきのこともあるし。


このあと忠清が阿湖に何と言ったか、聞いてみたい。


阿湖に惹かれたようすは感じられない……と思われるが。


あぶない、あぶない。戦国でござる。
阿湖・ふき・唯、という一人一人の女性ではなく、お城第一、政略第一なのだろうか。


阿湖は何も知らず、政略結婚のため遠くまでやってきたのに、「含みおかれたき儀がござる」なんて言われて。かわいそう。







黒羽城の夜。


自分の勘違いで、ふきのところへ説明に行かざるを得なくなった忠清。

  • 侍女「若君様のお渡りにございまする」


居室で忠清を迎えるふき。

  • ふき「心よりお待ち申し上げておりました」


小さくうなずき、部屋に入る忠清。


背後でパタリと閉まる障子。


側室のもとへ通う若君という絵は、この後の展開を考えてしまう。


唯でなくても、ちょっとドキドキする。






天野家の庭で素振りをやめて座り込む唯。

  • 唯「そりゃ浮ついていた私がいけないけどさ、でも若君だって遠乗りに誘ってくれたもん。ほかの女のところに行くなんて、いい感じかもって思ってたの私だけ? ん〜、もうっ。あっ、ああ〜!」


寝転び手足をばたばたさせる唯。


陰から見ている吉乃。

  • 吉乃「骨の髄までたわけておる」


そうそう、そうだね、たわけておるね。


でも、唯は忠清から面と向かって好きだと言われた訳ではない、もちろん婚約した訳でもない。
というか、忠清には婚約者もいるし、側室もいる。
唯を遠乗りに誘ってくれただけだ。


唯はやるせない。忠清のしていることが訳わからない。


遠乗りに誘っておいて何さ! もうっ、私を好きなんじゃないの? 私の片思いなだけなの!


第7回で忠清が「わしは、唯ほど好もしいおなごに会うたことはない」と言ったが、それは現代で尊が聞いただけ。唯はまだ知らない。


好きを前面に出している唯と、言葉にも行動にも滅多に出さない忠清と。


まして、大事な時に唯は朦朧としていることが多いし。







唯は水だと思って飲んでしまった酒に酔い、成之の居室に連れ込まれる。


廊下の足音が近づくのを聞いた成之は、眠る唯を抱き寄せる。

  • 忠清「兄上。忠清にござる。少々お尋ねしたき儀がござる」
  • 成之「これは、これは。ご用とは何でござろう」


成之に抱かれた唯を見る。

  • 忠清「ご無礼致した。出直して参る」


息をひとつしてから、忠清は足音高く部屋に入り、唯を抱き上げる。

  • 忠清「これは私の配下のものにござる。ご迷惑をかけ申した」
  • 成之「無理強いした訳ではござりませぬ」


成之を睨み、出ていく忠清。

  • 成之「クッ……、忠清のあの顔。ク…、ク…、ク…」


笑う成之。


えーーーっ、出直す! 一瞬、ビックリした。


からの、お姫様だっこ。


成之の腕の中の彼女を発見して、眉をクイッと上げて怒る忠清。目が燃えている。


こういう状況に陥らないと、自分の気持ちが分からぬのかの、忠清さん!


いや、十分わかっているのだろう。どんなに帰したくないと思っているか。側におきたい。一緒にいたい。でも父母との約束がある。






天野家の庭まで唯を引っ張ってきた忠清は、唯の軽はずみな行動を怒る。

  • 忠清「酒を食らい、兄上の部屋に居座り…」
  • 唯「居座ってなんか…」
  • 忠清「ではなぜ、あのような場所にいた!?」


しどろもどろの唯の説明になお怒る忠清。

  • 忠清「なんという…、大事な話とは高山を探りに参ったという事か。高山の手の者に見つかったら、どうするつもりじゃ!?」
  • 唯「うっ、それは…。私は若君様を守るためにこっちの世界に来たんです! だったら、そのお役目を果たすのが何でいけないんですか?」
  • 忠清「それと兄上とどのような関わりがあるというのだ?」
  • 唯「それは…」


言えない唯。

  • 忠清「お前の助けなどいらぬ」
  • 唯「若君様…」
  • 忠清「お前はこちらの世の者ではない」


立ち去る忠清。


大事な唯だけど、大事と言えない忠清。


それは、しっ、しっ、…嫉妬でござろう忠清さま。








居室に戻る忠清。


唯の父母に〈 唯は、わしが必ず父上と母上のもとへお返し致す 〉と約束したことを思い出す忠清。


腰を下ろし一点を見つめる。

  • 忠清「こちらの気持ちが、なぜ分からぬ」


言わなければ分からないのだよ。


忠清は感情を言葉にすることに慣れていない。


リーダーとしては感情を抑えることばかり教えられ、解き放つことは習ってこなかったのだろう。



忠清はこんな失敗(?)を重ねて、後のおしゃれデートの誘いを学んでいったのか。


  
(つづく)

#アシガール #伊藤健太郎 #黒島結菜

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 「藤城清治美術館」


藤城清治美術館 那須高原



藤城美術館に入るには、珍しいこの長屋門から。


ここは、数年前まではニキ美術館だった。
ニキの過激で力強い作品を展示していたが、閉館してしまった。


那須には本格的な美術館は少ないので、とても残念だった。






案内図がかわいい。


藤城清治さんは、1924年生まれ。今年、94歳になられた。







ここの開館は、2013年。


林の小径を辿り、教会を見て本館に向かう。


ガラス張りの建物が見えてくる。
この部屋はミュージアムショップとコーヒーショップになっている。







エントランス。


藤城さんは精力的に作品を作っている。


2011年からの被災地の復興を祈って生まれた作品もたくさんある。








展示室入口のマット。


この先は撮影禁止になる。


横幅6mもある水槽を利用した大作品は、ため息が出るほど美しい。






中側から見る出口ドアの絵。 


子どもも大人も楽しめる!



 
 

 アシガール「続編スペシャルの制作開始!」



アシガールSP 〜超時空ラブコメ再び〜
 12月24日クリスマス・イブに放送予定!


アシガール」物語の続編となるスペシャルドラマがいよいよ制作開始!
愛する若君を守るため、女子高生が足軽となって戦場を駆ける。


♥ 戦国最強・織田信長配下の新たな敵!
♡ 足軽・唯之助またも見参!
♡ ラブラブ唯と若君の結婚は?
♡ 平成の家族は?
♡ 兄上と阿湖姫!
♡ 唯の腹は決まったか閨チャレンジ!!


    西村まさ彦、石黒賢イッセー尾形 ほか

  • 演出 伊勢田雅也
  • 制作統括 陸田元一 、土屋勝裕

12月24日 クリスマス・イブの夜に贈る時空を超えたラブストーリー、ここに完結。
 
 

  
(つづく)

#アシガール #伊藤健太郎 #黒島結菜

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 200万本のひまわり 愛込ひまわり畑



那須ハートフルファーム」愛込ひまわり畑。


約8ヘクタールの畑に200万本のひまわり!


ひまわり畑の駐車場の傍らに、古いサイロが建っていた。






同じ方角を向くひまわり。


ひまわりは、日光を浴びて成長するためツボミを付けるまでは太陽を追って、東、上、西、と方角を変える運動をする。


花が咲くと、もう成長しないので、太陽を追わない。


太陽のある東側を向いて止まる。
そして方角はそのまま固定されるとのこと。










ひまわり畑は去年から公開を始めた。








はるかに那須の山々。


これはお立ち台(2カ所ある)に上って撮ったもの。


ひまわり畑の道を歩いているときに見えなかった景色が、お立ち台に上るとパッと広がる。







那須ハートフルファーム」だからハートマーク?


途中には、たくさんの風鈴がチリチリと鳴り、鐘を鳴らす場所もある。







季節によって、菜の花畑になったり、こいのぼりが500匹も泳いだりするそうだ。







もう花びらは垂れ、種が育っている。


公開もそろそろおしまいだろう。






今日は、よく晴れて山が美しい。






遠くに見えるのは駐車場のサイロ(一枚目の写真)。


そこからぐるっと巡ってここに来た。





場所は、大谷交差点からどうぶつ王国に向かう道の途中。
左側に案内ののぼりが立っている。




  • 那須ハートフルファーム
    • 栃木県那須町大字高久丙1166-150
    • 電話番号 0287-77-1774

 
 
 

 アシガール・私的(素敵?)覚え書き 第7回 -2-



アシガール・第7回「待ってます戦国で!」-2-



尊の実験室。


忠清が戦国へ帰るのを見送る、覚・美香子・尊。
                                   
タイムマシンがあと二回しか使えないと知って、それなら「唯は現代へ戻らない!」と慌てる覚・美香子に…、

  • 忠清「ご案じめさるな。唯は、わしが必ず父上と母上のもとへお返し致す」


と誓う。

  • 忠清「では、これにて」


荷物を入れたバッグを忠清の肩に掛ける美香子。

  • 美香子「お体に気をつけて」
  • 覚「高山なんかに負けるんじゃないぞ!」


タイムマシンの起動スイッチである脇差を抜く忠清。

  • 尊「若君! 教科書に載ってないかもしれないけど、僕、若君のこと忘れないから! 若君や、きっと大勢の人たちが同じように生きてたんだなって覚えているから!」


微笑む忠清の姿が消える。

  • 尊「若君様ぁ!」


尊の「若君や、大勢の人たちが同じように生きていたんだなって覚えているから」というセリフは、アシガールの核心だと思う。


過去を切り離して考えるのではない、過去と地続きにある現在。

そしてまた地続きの未来。

歴史は本当の大河のように、大地をうねって流れていくものなのだろう。


ヒトの体にも大河がある。
生まれて、一日一日を重ねて、今の自分がある。
過去はひとつ残らず自分の中に詰まっている。
明日を迎える自分も詰まっている。


ヒトも大地をのたうちまわりながら流れているのだろう。


海へ、海へ。


そして、水蒸気になって、空へ空へ。






詮議の場に突き出された唯。冷たい牢にいたため高熱を出している。


成之が「唯之助は己の姿を偽り忠清に近づいた」と忠高に訴え、その証拠を「ご覧にいれましょう」と、役人に命じ唯の着物を剥ぎ取ろうとした。


そのとき、忠清が現れ意識朦朧とした唯を抱き起こす。

  • 忠清「唯、まさかこのような目に遭うていようとは...」
  • 唯「やだ、髪べたべたなのに」


忠清の顔を見て微笑む唯。

  • 忠清「すまぬ...。許せ...」


ぼんやり忠清を見る唯。


唯を抱き締める忠清。

  • 唯「〈 これって夢? 若君の腕の中にいる気がする 〉」


信茂が奥から出てきて、唯を抱いた忠清を抱き締める。

  • 唯「〈 じじいの腕の中にいる気もする。やっぱ夢かぁ 〉」


信茂、よくやった!


大勢の注視の中で唯を抱き締めた忠清の決意。
「思わず」とはいえ並大抵ではなかろう。


それをオブラートに包んだのが信茂の行動。二人をまとめて抱いたのだ。


忠清役の伊藤健太郎さんがオーディオコメンタリーで、こんなふうに話している。「じい」天野信茂役はイッセー尾形さん。


「唯と若が一緒にいるところをじいがバーッと走ってきて、抱き締めるところあったじゃない。あそこなんかもね、すっごい力強いのね。じい、力、強い!」



忠清が長く会えなかった愛しい人を抱いているのに、ぜ〜んぜん、甘い雰囲気はどこへやら。


ふたりの孫を抱いているおじいさんの絵になってしまっている。






夜。唯は離れ座敷に休んでいる。


小平太が来て、忠清からの言葉を伝え預かった手紙を渡す。
封筒には手紙のほかに尊がこっそり撮った写真も入っていた。

  • 唯「若君が、私の、ベッドで、マンガ読んどる! あ〜、ずるい。私もこんなん生で見たいよ〜! はぁ〜」


布団に転がり脚をバタバタさせて口惜しがる唯。


こんな面白い行動はマンガだから?
始めはそう思った。


しかし、よく考えると唯は現代の世界で忠清を見たことがない。

タイムマシンが一人しか飛ばせないからだ。
父母と弟がいて、忠清がいて自分がいる、という状態にはなれない。
やっぱ、マンガかぁ。………(ウソです)


忠清のそばにいたい唯は、本当に尊が羨ましかったのだ。







唯のいる座敷の庭へ忍んで現れた忠清。

  • 忠清「お前のおかげで、一命を取り留める事ができた。礼を申す」


忠清は父母からの土産のアーモンドチョコレート二粒を唯に渡し、食べる姿を微笑んで見る。


忠清の顔から笑みが消える。

  • 忠清「これを返しておく」


脇差を渡す。

  • 唯「タイムマシン。これってあと何回使えるんですか? 燃料が少ないって、尊が…」
  • 忠清「あと一度。…と申したらどうする?」
  • 唯「行ったっきり、ここには帰れないってことですか?」
  • 忠清「そうじゃ」
  • 唯「だったら、家に帰るのは諦めます」
  • 忠清「ここで生きていくということか?」
  • 唯「はい!」
  • 忠清「そうか」


背を向ける忠清。

  • 唯「若君様?」
  • 忠清「そろそろ帰る。唯。それはあと二度使える」
  • 唯「二度…」
  • 忠清「家では皆、お前を案じておる。次の満月では必ず帰れ…。そして、(唯を見る)戻ってまいれ」
  • 唯「若君…。はい! 帰って、また来ます!」
  • 忠清「うむ」
  • 唯「っしゃ〜!」


微笑み、去っていく忠清。


手を振り、見送る唯。


忠清を思って、「戦国で生きる」という唯。


唯のために「タイムマシンはあと二度使える」と嘘をつき、平和な現代に戻れという忠清。


思いやる心はふたりとも同じ。


しかし、それではふたりは離ればなれになってしまう。







たら、れば、は、御法度だが。


〇 忠清が「現代に戻れば、もう二度と戦国へは来ることができない」と唯に言ったら…。


〇 第4回「ドキドキの夜!」で、忠清に「腹が決まったら参れ」と言われて、唯が「はい」と言っていたら…。



ほかにもありそう。



  
(つづく)

#アシガール #伊藤健太郎 #黒島結菜

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第10回ー2「その結婚ちょっと待った!」

  
  

 「ぐらんまのかっぽう着」ネーミングがいいね



「ぐらんまのかっぽう着」


入口は洋風に見える。


完全な「和」ではないようだ。







店内も、やっぱり折衷している。


お店のみなさん、グランドマザーだそうだ。








そばすいとん 700円。


そばの香りがしておいしい。


野菜もたくさん。








ばあばセット 1200円。


限定 10食。


鶏肉のワイン煮、ごはん、味噌汁、小付、おやき、コーヒー付。


いろいろあって楽しめる。


レシートには「バーバ S」とプリントされていた。
かわいい。







寒くなると使うのだろう。






方言川柳が張ってあった。


大体は、なんとなく意味がわかる。


「ごせやげて いるのがわがる …」
これがまったく分からなかった。



  • ぐらんまのかっぽう着

 
 

 アシガール・私的(素敵?)覚え書き 第7回 -1-



アシガール・第7回「待ってます戦国で!」-1-


第7回のストーリー


忠清は高熱を出し戦国に戻れなくなった。
追っ手から逃げる唯は信茂の屋敷にかくまってもらい、忠清の戻るのを待つ。
吉乃が捕えられたのを救うため、唯は自ら姿を現し、捕われの身になる。
牢の中で、唯は絶望と発熱で倒れてしまう。



女中に化けた唯。


朝から大量の野菜を洗い、鍋を洗い、釜を洗う。

  • 唯「あ〜もうッ! 朝からずっと洗ってばかり。足軽のほうがずっと楽!」


𠮷乃の家で農作業を学んできた唯は、天野家では女中の仕事を習う。


城の女たちの仕事は、やってみればきつかった。







黒羽城。


詮議の場に𠮷乃。

  • 𠮷乃「唯之助の居所ならば私は存じませぬ。また先ほど唯之助を高山の間者と申されましたが、それも何かの間違いでございましょう」
  • 𠮷乃「唯之助は百姓のせがれなれど、若君さまのお役に立たんと一命を賭して戦に出ました者。若君に害なす企てに加担するなど、断じてありえませぬ」

詮議の場を遠くから覗く足軽たち。

  • 千吉「だよなぁ。唯之助は若君のお馬のくつわを取り、敵陣を突っ切って助けたんだもんな」
  • 伊四郎「たわけだが、若君様を裏切るなんぞは、せんやつじゃ」
  • 𠮷乃「どうか、今一度お調べのほどを」
  • 宇部「ええい! 我らのお役目にまで口を出すとは、女といえども容赦はせん! 捕らえ!」
  • 家臣「はっ」


男の姿に戻った唯が、門番の制止を振り切って駆け込む。

  • 唯「おやめください」


𠮷乃の前に手をつく唯。

  • 唯「ごめんなさい、おふくろさま、私のせいで…」
  • 𠮷乃「たわけ!!!」


迫力に驚く信近。

  • 唯「おふくろ様…」
  • 𠮷乃「せっかく逃げおおせていたものを、のこのこ帰ってくるとは。そのような事をして私が喜ぶとでも、お思いか?!」
  • 唯「いいえ、きっと叱られるだろうなって思いました。思ったけど黙って隠れているなんてできないです。だっておふくろ様がいなかったら、わたし、わたし…」


静かに静かにピアノ曲が入る。

  • 𠮷乃「たわけ、人前で泣くのではない」


信近が涙をこらえる。


唯の「黙って隠れているなんてできない」という言葉。


𠮷乃は、唯の命そのものを救ってくれた。


血のつながりはなくても「親子」として守ってくれた。「言いにくいことは言わなくてもよい」と、唯を信じてくれた。


文字通り「おふくろ様がいなかったら、私は生きていない」と唯は知っている。


唯は全く「たわけ」などではない。見事に事の成り行きを読み、自らの心に従って行動する賢い人間だ。




信近はこの𠮷乃の姿を見て、一目惚れ(!)したのか。


いいぞ、信近。


後に告ったときは、もっといい。






現代の唯の家。

  • 尊「若君。本読んでいたんですか? あっ、日本史の教科書」
  • 忠清「我らの名はどこにもない。父上も、じいも、小平太も、兄上も。だが、我らも確かに生きておったのだ。この書物に載っている者と同じように、食らい、戦い、笑い、嘆き…。…何か用であったか?」
  • 尊「ああ、そうだ。今日出かけたでしょう」
  • 忠清「城跡へ参った」
  • 尊「やっぱり。門の外に女子高生が群がってます」
  • 若君「なぜじゃ?」
  • 尊「若君についてきたんですよ」
  • 若君「なんと、奇態な・・・」
  • 尊「興味ないんですか? 女の子に」
  • 忠清「そんなことはない」
  • 尊「じゃあ、僕に若君の好み言ってみてくださいよ。僕があの中から探してみますから」
  • 忠清「好み……」


辺りを見回す忠清。ふと目が留まる。

  • 忠清「手足は棒きれのごとく」
  • 尊「手足が棒…」
  • 忠清「目と口がよう動き」
  • 尊「目と口がよく動く」
  • 忠清「肌は浅黒く。むじなのような」
  • 尊「ん? まさか? お姉ちゃん?」


唯の写真に目を留めている忠清。

  • 忠清「わしは、唯ほど好もしいおなごに会うたことはない」
  • 尊「ええっ〜〜?!!!」
  • 忠清「お前は唯にそっくりじゃ」


窓を開け天に向かって叫ぶ尊。

  • 尊「姉上様〜!、戦国の苦労が報われるかもしれませ〜ん!」


手足が棒だけど、好き。


肌は浅黒いけれど、好き。


むじなのようだけれど、好き。



  もっというなら、


  化粧もまったくしないけれど、好き。


  きれいな服を着ていないけれど、好き。


  言葉も正しく覚えられないけれど、好き。


  歌も詠めないけれど、好き。



    全部まとめて、そのままの君が好き!




全然褒めていないよ、忠清くん!




しかし、この忠清の言葉を尊から聞いたとき、唯が変わる!



しかも続けて尊に「お前は唯にそっくりじゃ」と言う。唯と同じように尊も好きだと。


忠清にとって、尊は唯と同じくらい信じられる愛しい人なんだなと感じる。


広く篤い愛。


  
(つづく)

#アシガール #伊藤健太郎 #黒島結菜

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第10回ー1「その結婚ちょっと待った!」

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 「ル・クグロフ」 アルザスの家庭料理 日本人に合うかも



ル・クグロフ (LE KOUGELHOPF)


フランスのアルザス地方の郷土料理が食べられる店。


店内は明るい。


奥の土産売り場の棚にある赤い色のものが目立つ。


何だろう? あとで見に行こう。







フランス風ポテトグラタン パンとサラダ付き 1200円。


キノコ、ベーコン、チキンの入ったポテトグラタン。


パンは小さいのが一つ。
でも、お代わりできる。








グラタンに付いているサラダ。








タルトフランベ 森のきのこ 1200円。


薄いパン生地の上に、しめじ・しいたけ・エリンギなどのきのこがたくさん。


ピザに似ているが軽くサッパリとしている。


もう1枚!…だって食べられるくらい。






スペシャル・クグロフ 1000円。


アルザスの菓子。
ふわふわの帽子型をしたケーキとシャーベット、フルーツ。


見るだけでも美しい。


クグロフは、マリー・アントワネットもこよなく愛したという。







お土産いっぱい。


一枚目の写真の赤いものは、シュバシコウといって赤いクチバシのコウノトリだった。


クチバシとアシが赤く、首府のストラスブールのイメージキャラクターだそうだ。



アルザス地方はフランスとドイツの国境にある、フランスで一番小さい地方。クリスマスツリー発祥の地でも有名。


ここの食べ物は日本人に合っていると思う。


 

  • ル・クグロフ (LE KOUGELHOPF)

 
 

 アシガール・私的(素敵?)覚え書き 第6回 -2-



アシガール・第6回「平成に若君キター!」-2-


黒羽城跡を訪れた尊と忠清。

  • 忠清「ここが…黒羽城」


城の石垣に右手のひらで触れる忠清。

  • 忠清「戦国の世で唯之助が言うておった。『わしを守る』と何度も」
  • 尊「姉は若君を救いたいと戦国時代に行ったので」
  • 忠清「わしを救う?」
  • 尊「はい」
  • 忠清「それはどういう意味じゃ? わしが命を落とすということか? …… いつ? どのように? 羽木はどうなる? 父上は? じいは? 兄上は?」
  • 尊「………」
  • 忠清「尊、武士(もののふ)ならばまことの事を申せ」


忠清に向き直り、目を見つめる尊。


石垣の前。忠清は高校生の制服を着て立っている。
しかし、そこには武士が立っている、と感じられる。
現代に現れた戦国武将そのものだ。


当たり前だが、武士の立ち姿は、高校生の立ち姿とは違っているんだと気づかされた。



その夜、尊は両親に “ 羽木家滅亡を忠清に話してしまったこと ” を責められる。尊は「あの若君なら何があっても逃げない。全力で困難に立ち向かう。そう思ったんだ」と応じる。


忠清と尊は、本当の兄と弟のようだ。


というか、ほんとうの兄弟になって欲しい。


いやいや、義理の兄弟になれるかも…。なるといいな(熱望)。





唯の部屋。灯りを消し、唯の写真を見ている忠清。


尊が来る。

  • 忠清「のう、尊。唯之助は……、唯は、わしの命を守るために450年前に行ったのだと申したな」
  • 尊「ああ、はい」
  • 忠清「では唯は、定めを変えることができると考えておるのか? 己の力で」
  • 尊「いや…、何も考えていないでしょう。お姉ちゃんは…… 姉は、できるかできないかじゃなくて、ただ、やるって人です」
  • 忠清「ただ、やる…」
  • 尊「自分が若君を守るんだって、それだけです」


忠清は〈 若君様、必ず守りますから 〉〈 ホイッ… 〉と言っている唯を想い出し、笑う。

  • 忠清「その通りじゃ、唯は何も考えておるまい」


写真を棚にもどす忠清。尊を見る。


流れる曲がピタリと止まり、忠清が言う。

  • 忠清「ならば、定めはわしが、己の力で変えてみせよう」


唯が忠清を変えた瞬間かもしれない。そして、歴史を変える瞬間でもある。


「できるかできないか」じゃなくて「ただ、やる」。


「できそうもない」、「無理かも」など言わず、「ただ、やる」。


自分の思うとおり、結果も考えず「ただ、やる!」。






翌日、庭で竹刀を振る忠清。

  • 尊〈 姉上様。若君が戦国へ向けて本格始動です 〉


オーケストラが奏でる勇壮な音楽が緑の庭の忠清を輝かせる。


刻むリズムが忠清の決意を後押しし、竹刀の剣先を未来へ突きつける。






食卓。


レンコンの挟み揚げを食べる速川家三人と忠清。

  • 尊「僕も、素振り始めようかな」
  • 美香子「んっ? 尊が? えっ、えっ、尊が?」
  • 忠清「よいぞ。鍛えてやろう」
  • 覚「おおーっ。よし、じゃ、僕も僕も」
  • 美香子「えーっ、お父さんも?」
  • 覚・尊「イエ〜ッ!」


グータッチをする父と息子。

  • 美香子「何よ、それ〜っ! 私も、入ろう、入ろう」


忠清は三人のやりとりを微笑みながら見ているが、やや悲しそう。


家族でテーブルを囲み、楽しく話をしながらの食事。父と息子との息の合った言葉や触れ合い。


この光景は今までの自分の生活にはなかったのではないか。


忠清は大切にされてはいたけれど、このような形で愛してもらってはいなかったかもしれない。それに気づいたから悲しそうに見えたのか。







久の住む庵の縁。

  • 久「お城で辛く当たられてはおらぬか?」
  • 成之「案じめさるな。ようして頂いておりますゆえ」
  • 久「あのお方も? 父というのにあのお方は、お前に笑みひとつくれようともせなんだ。ただ我らを忌むように遠ざけ、あまつさえ、お前を亡き者にしようと…」
  • 成之「母上、それは昔のことにございます。じき私が総領となりましょうゆえ」
  • 久「よい子じゃ、お前はよい子」


成之の背を撫でる久。


羽木家の当主・忠高の息子でありながら、城から追われた子と母。


信じる人々がまわりにいない。誰も敵に見える。いつ誰から毒を盛られるかもしれない。刺客が狙っているかもしれない。


久の屈折した心は病んでいる。成之の心も共に。






成之の策略で、唯は忠清の失踪への関わりを疑われ城から逃げ出すことになる。


千吉や遠太たち足軽仲間が手持ちの金子を唯之助に渡す。

  • 唯「みんな…」


悪丸が画治郎を引っ張って来る。

  • 悪丸「この者、抜け道くわしい」
  • 唯「あんたっ」
  • 画治郎「ここから馬場を抜けろ。東側の壊れた柵から城を出て、山へ入るんだ」
  • 唯「わかった」


画治郎は着ていた毛皮の上着を脱ぎ、差し出す。

  • 画治郎「これを持ってけ。夜は冷えるぞ」
  • 唯「ありが……。何これ! 使い込んでて……、臭っ!」
  • 画治郎「気にするな。戻ってきたら、また出世争いじゃ。次は負けぬぞ。それまで達者でな」
  • 唯「画治郎、悪丸、ありがとう」


唯は毛皮で涙を拭う。

  • 唯「臭〜い!」


唯は足軽の仕事も満足にできない。厩の掃除はさぼるし、文句も言う。たわけておる奴だと思われている。


しかし、愛されている。一緒に働くみんなは唯が好きだ。


唯は現代から突然戦国に飛んだが、適応能力は抜群だ。何より仲間が唯を愛しているのがその証拠だ。



戦国は普通に、臭かったであろう。体も衣服も。


だって、風呂はまだ一般的ではないらしいし…。


忠清や他の偉い武士、位の高い女性たちはそうでもないだろうが、足軽とか農家の人たちは、そんなに清潔にする環境もヒマもない。


唯は位の高い忠清と自分の違いを感じているから、「臭い」に敏感でもあるだろう。


戦国のおにぎりを臭いと思うし、せっかくもらった毛皮を臭いというし、忠清の傍らへ行くのも、つい遠慮してしまう。






山中を走る唯。

  • 唯〈 若君が帰るまで、絶対生き延びてやる 〉「っしゃ〜!」


♬ 青く可憐に 咲き乱れる
  ふるさとは遠く 荒れ果てた道で
  助けもなく それでも空をあおぐ ♫


若君のいない戦国。暗い林を逃げ続ける唯。


唯の脚に合わせてピアノの澄んだメロディと強い歌声が伴走する。




「ワイルドフラワー」 作詞・作曲 遠藤響子


  青く可憐に 咲き乱れる
  ふるさとは遠く 荒れ果てた道で
  助けもなく それでも空をあおぐ


  孤独な夜も 悲しみもあるわ
  だけどもう何も 欲しくはない
  もう誰のご機嫌も とりたくない


  私はワイルドフラワー
  トゲのついてる花
  私はワイルドフラワー
  強い強い花


  
(つづく)

#アシガール #伊藤健太郎 #黒島結菜

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